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アドウェイズ広告事業本部が提起するASO対策、陥りがちな2つの課題

こんにちは、アドウェイズ広告事業本部です。
このnoteでは、私たちが日々取り組んでいる事業の内容や社員の働き方、そして私たちの想いについてお伝えします。 

今回は、取締役の中山祐太と、お客様のサービスのユーザー接点や導線の最適化支援を担うデータソリューションディビジョンの2名に、アドウェイズがASO(アプリストア最適化)に注力している理由と課題、そして広告事業本部が目指す「本質的なマーケティング効果の最大化」について話を聞きました。


事業成長に寄与するマーケティングの実現は「広告」だけでは足りない


――最初に、広告事業本部が最適化対策の支援に注力することになった背景を教えてください。

中山 私たちはこれまで、様々なデジタル上の配信面における広告出稿の支援に注力してまいりました。しかし、広告出稿での集客はできても、お客様のお客様、つまり、サービスを利用するユーザーが快適に活用できなければ、私たちが目指す「お客様の事業成長に貢献するマーケティング」は実現できていないことになります。

そういった課題に対し、私たちはしっかりと向き合い、お客様の事業成長とユーザーの快適性を両立するマーケティングを実現するため、ユーザー接点や導線の最適化の支援にも注力をしています。

――広告出稿だけでは、事業成長に貢献するマーケティングは実現できないということですね。WEBブラウザでの表示順位を最適化するSEO対策や、利用導線を整理するCRO対策など、様々な最適化対策があると思います。その中で、ASO対策に注力するのはどのような理由からでしょうか?

中山 近年、WEB・APP・リアル店舗といった、特定のデバイスやチャネルを活用したマーケティング活動に加え、クロスデバイス、クロスチャネルでのマーケティング展開のニーズも大幅に増加しています。実際にユーザーの視点で考えても、最も快適で円滑に利用できるチャネルは限定されたものではなく、デバイスやチャネルを跨いだ導線や接点が最適であると考えています。

ASO対策以外の最適化の支援も重要なことなのですが、こうした状況の中では、アプリ利用のエントランスとなる、アプリストアに対する最適化対策が特に必要なのではないかと考え、2021年に専任のチームを組成しASO対策の支援に注力をしはじめました。

ASO対策を行うと、認知や利用意向に紐づく自然流入ユーザーを最大化することに貢献できるうえ、広告を含む全てのアプリストアに流入するユーザーのインストール率の向上にも寄与します。こうした支援、取り組みは、事業成長に貢献するマーケティングを実現するうえで非常に重要であると判断をしました。 

ASO対策の最前線と課題

ここからは、ASO対策支援チームで実際に支援を行っている奥田に話を聞きます。
――アプリマーケティング市場とそれに伴うASO対策の浸透度を教えてください。

奥田 2021年頃に比べて、お客様のASO対策に対する意識は、どんどん上がってきているように感じています。中山からもあったように、これまではアプリやWEBといった1つのチャネルのみでマーケティングに取り組むことが一般的でしたが、ユーザーが複数のデバイスやチャネルを利用することが当たり前になったことで、現在では私たち広告事業者もクロスチャネルでのマーケティングを提供することが主流となってきました。

事業主であるお客様も、アプリを重要なサービス接点だと捉えています。そのような状況の中で、アプリのインストール場所の、App StoreやGoogle Play Storeでのユーザー体験を重要視することは、自然な流れと考えて良いでしょう。

しかし最近、対策に舵を切った企業から、プラットフォームのアルゴリズムの変化が激しく、自分たちの対策が充分であるかわからない、などのASO対策を不安視する声を聞くようになってきました。

――ASO対策というと一般的に「流入の最大化」と「インストール率の最大化」に二分されると思うのですが、「流入の最大化」の最前線について、詳しく教えてください。

奥田 どんなに優れたアプリでも、検索結果に表示されなければ、潜在的なユーザーにアプローチすることはできません。Appleの発表によれば、ユーザーの70%は検索行動を経て、アプリをインストールしているそうです。(※1) そのため、ユーザーとの接点をより増やすためにも、キーワード対策を行い、検索の幅を広げる必要があると考えています。

※1 Apple Search Ads:https://searchads.apple.com/help/ad-placements/0071-search-tab

しかし、近年ではビッグワードや一般的なキーワードに対する対策を施すだけでは、流入の最大化は難しくなっています。プラットフォームのアルゴリズムが頻繁にアップデートされるようになり、自社サービスの商標であっても上位表示をさせることが難しくなったことが、大きな要因です。また、アプリ市場が成熟してきた結果、類似の機能を持つアプリも増えており、同じ検索ワードに対する競合が増加していることも挙げられます。そのため、アプリストア上での選択肢も増え続け、アプリの質も高まっているため、市場はますます活況を呈しています。これに伴い、ユーザーの期待値が高まり、インストールをしてもらうための競争がますます激化しています。

つまり、一時的なASO対策のみの実施では、徐々に検索結果に表示されなくなってしまうことが起こりうるため、アプリのアップデート、ストアのアップデートに合わせて最適なキーワード対策をすることが必須となっています。

――アプリ市場の成熟化に伴い、以前にも増して、念密な対策を行い、検索ユーザーとの接点を確保することが大切なのですね。続いて「インストール率の最大化」についてはいかがでしょうか?

奥田 ユーザーレビューの質を向上させることや、クリエイティブのクオリティを担保する工夫、効果的なキャッチコピーの作成とその浸透、認知施策との連動なども重要な要素です。これらの施策を通じて、アプリインストールの競争力を高めることが求められています。

 ――クリエイティブのクオリティを担保することが重要視されている理由を教えてください。

奥田 近年では、高品質なストアクリエイティブを設定することが一般的になりつつありますが、ユーザー視点で考えると、均一化された同じようなクリエイティブが並び、似たようなアプリが並んでいる、とも捉えられかねません。言うなれば、サービスの魅力やUSP(独自優位性)を差別化要素として伝える視点が欠けていると私は感じています。そのため、たとえアプリのアップデートが少なくても、広告クリエイティブと同様に、常にPDCA(計画・実行・評価・改善)を回しながら、新しい訴求法を試してみるべきしょう。

さらに、広告効果との連動性にも注目し、対策を行うことも非常に重要です。iOSの場合はCPP(※2)、Androidの場合はCSL(※3)を活用することで、訴求に合わせたストアクリエイティブを展開することが可能です。このアプローチは非常に効果的であり、実際に獲得効率が改善した事例も多数存在します。

※2 カスタムプロダクトページの略で、広告主が iOS 15以上のユーザーに対して、異なるユーザーセグメントごとに複数バージョンのApp Storeの製品ページを作成・表示することができる機能
※3 カスタムストアリスティングの略で、Google Playストアにおけるアプリの表示やプロモーション方法をカスタマイズする機能

サービスのエントランスとなるASO対策はマーケティング全体に大きな影響を与える


――成熟した市場においては、短期的なASO対策ではなく、常にユーザーニーズや市場動向にマッチした状態を、広告配信と連動して維持するべきなんですね。

奥田 おっしゃる通りです。改めてにはなりますが、アプリの広告において、SNS広告・ディスプレイ広告・ストア内広告・オーガニック検索・オフライン広告、その他すべての施策で辿り着く先が、アプリストアページです。どのような流入経路であっても必ず通る、いわばサービスのエントランスに当たる部分になります。

前述したように、アプリストア内での自然検索ユーザーの流入と、インストール率の最大化を促進することも重要ですが、アプリストアは広告経由のユーザーも必ず接触するため、広告との整合性や親和性が担保されていることも重要です。

アテンションや興味喚起を重視した広告が増えている昨今では、広告で見た情報と整合性が取れているか、またユーザーにとって有益なアプリであることをストアページで適切に伝えられているかどうかを示す必要があります。
また、オフライン広告のように検索行動を促し、アプリへの接触を誘導するマーケティングに対しては、ユーザーの検索キーワードを想定して対策を行う必要があります。例えば「〇〇で検索」といった広告の打ち出し方をしているのに、「〇〇」と検索をしても、トップに表示されていないことは多々あります。

この場合、施策の効果が半減してしまい、ユーザーがアプリ自体に誤った評価を付けてしまう事にもつながります。ピンポイントなキーワード対策を行うのではなく、マーケティング戦略や施策に合わせたキーワード群の選定をし、認知広告を実施する前に対策をしておくことが重要です。 

アドウェイズでは、この最適化対策をサブスクリプション型でお客様に提供を行なっているのですが、中には「ASO対策に費用を投じるなら、広告出稿に同額を投下し、ユーザーのインストール数を増加させたい」と考える担当者様もいらっしゃいます。しかし、そのような判断は時期尚早であると私たちは考えています。

なぜなら、ASOは、ランキング向上や流入増加を目的とするだけでなく、アプリストアでのインストール率を上げることにも寄与しているからです。その要素は、スクリーンショットやアイコンなどの、ビジュアル要素と大きく紐づいています。広告出稿で新規のユーザー獲得を目指すよりも、ASO対策でインストール率を改善し、毎月のインストール数のベースアップを行う方が、費用対効果としてもはるかに高いと考えています。

――ASO対策を提案・実施し、お客様の反応はいかがですか?

奥田 以前、私たちが制作したクリエイティブとお客様が制作したクリエイティブをABテストとして検証を行なった結果、ASA(Apple Search Ads)の獲得効率やCVR・タップ率、品質スコアが目に見えて向上し、キーワードの表示順位を1位に上げることができました。その際、お客様からは「戦略的に狙っていきたいキーワードでランキングを向上させることができ、そこからのインストール数も増えたので助かった」との声をいただいています。

また、流入キーワードやインストール率が明確になることで、ASAとASOの役割や意義を明確にすることができ、マーケティング戦略を展開していくうえで非常に有益だったというフィードバックもいただいています。

一方で、実施されたお客様の中には、その後、継続的な取り組みが行われていない傾向も見受けられます。主な障壁としては、以下の2点が挙げられます。

①戦略的かつ継続的な対策が行われていないため、スポット実施にとどまってしまう
②責任者の不在により、取り組みが明確になっていない

日本の多くの企業では、開発チーム、サービス運営担当、マーケティング担当がそれぞれ別の部署で事業を運営することが一般的なため、ASOのような施策を実行する担当を、明確に設定し辛いと考えられます。そのため「トライした方が良い」とは感じてはいても、実際に実施することには、二の足を踏まれるお客様が多いのではないでしょうか。

しかし、プロモーションの規模が大きければ大きいほど、ASO対策の影響も拡大するため、可能であれば、ASO専任の担当者がいることが理想的です。ASOを実施する体制を整えることができれば、より効果的なマーケティング戦略の実行に一歩近づきます。ぜひ私たちと一緒に作り上げていければ幸いです。

今後の展望、担当者の想い


――これからのASO対策の動きを教えてください。

宮折 奥田からも話があったように、ASO対策は認知はされつつも、浸透が進んでいるとは言えない状況にあるため、まずは私たちが率先してASO対策での成功体験を作る事に注力していく予定です。実際に成果を感じてもらう事がASO対策への考え方を変えるきっかけとなり、本質的なASO対策を実施する第一歩になれば嬉しいですね。

アドウェイズではASO最大手の、Repro社と業務提携も行っております。お客様の事業フェーズにあわせ、成長につながるストア最適化を推進し、今後も連携を行った取り組みを加速させていく予定です。

▼Repro社との業務提携についてはこちらをご覧ください。


――広告事業本部で目指している姿を体現するために取り組んでいることを教えてください。

宮折 お客様の事業成長をより後押しするためにも、ユーザー視点を重視し、ユーザビリティの快適性を確保することが何よりも重要だと考えています。そのうえで、事業のKGIやKPIに合致する中長期の施策をお客様と同じ目線で考え、本質的な価値を市場に届けていくため、支援を行なっていきます。

なお、私たちのチームでは、計測支援、最適化支援、分析を通じた改善活動支援、さらにはコンサルティングまで幅広く事業を行っています。それぞれの活動を個別に実施することもありますが、広告事業本部の他の部署とも取り組みを連動させることで、より一層の事業成長につながると考え、積極的に連携を行うよう努めています。

冒頭でもお伝えしましたが、昨今はクロスデバイスやクロスチャネルに対するニーズも高まっており、それに応じ、必要な連携も多様化しています。
例えば、ゲームアプリ業界ではリリース前のプロモーションとして事前予約を行うWEB広告の出稿が増加しています。これは、ティザーサイトのLPを介したコミュニケーションとなるため、GA4での計測をしっかりと行い、LPO(ランディングページ最適化)を実施することで、効果的に事前予約数を増やすことが可能となります。なお、この場合はゲーム業界に精通した営業との連携が必要になります。

また、ゲーム以外の業界でも、WEBやアプリを問わないCROの対応を行う事例も増えています。ASO領域においても、ストア上でのアプリやキーワードの品質スコアを把握するための広告運用部署との連携など、様々な部署と連携して多角的なサービスを展開しています。

このように、計測担当や最適化担当といった特定の領域に限定せず、1人のメンバーが複数の領域を担当できる体制を整えることで、チームとして複数の視点からサポートするだけでなく、個人としても多様な視点から支援することが可能となります。今後は「個の成長」や「個の質を高める」ことにも重点を置き、レベルの高いメンバー間で連携を行ない、より組織力の強化にもつなげていく予定です。
 
中山 今後、アプリのストア最適化は、さらに重要なマーケティング施策になると考えています。自然流入の最大化だけではなく、広告との親和性も高め、短期スポットではなく、戦略的かつ継続的な価値提供と利用促進が必要です。重複した言及にはなりますが、「アプリサービスのエントランスであるアプリストアを整備しない」という事は、玄関やエントランスを掃除しない店舗運営と同じような事だと考えても良いでしょう。それはつまり、アプリをヒットサービスにするつもりがないと考えても過言ではないかもしれません。

私たちは業界の中でもパイオニアとして、ASO対策がアプリマーケティング全体に与える影響や、広告連携の効果がどれだけコンバージョンに寄与しているのかをより可視化し、インパクトを明確にし、その重要性を広めていきたいと思っています。
 
――本日はありがとうございました。


株式会社アドウェイズでは、広告出稿・マーケティング最適化支援に関するご相談を随時承っております。お気軽にご連絡ください。

アドウェイズ広告事業本部は、今後もクライアントと共に成長を遂げることを目指し、デジタルマーケティングの最前線で挑戦を続けてまいります。今後の展開にご期待ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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