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デジタル広告最大化ソリューション「Amplify Marketing Program」リリースから2年。現在地点とこれから

こんにちは、アドウェイズ広告事業本部です。

このnoteでは、私たちが日々取り組んでいる事業の内容や社員の働き方、そして私たちの想いについてお伝えします。

アドウェイズ広告事業本部には、お客様のマーケティング・広告プロモーションをサポートするソリューション開発組織や、広告プロダクトの開発・保守を行う専門のエンジニアリング組織があります。今回は、マーケティングテクノロジーディビジョンにて、デジタル広告最大化ソリューション「Amplify Marketing Program、以下 AMPシリーズ」の開発、運用に携わるメンバー3名に、リリースから2年が経過した現在の状況と今後の展望について伺いました。



AMPシリーズは、デジタル広告効果の最大化を目的に開発を続けてきた、アドウェイズ独自のプロダクト群を束ねたシリーズです。アドウェイズグループがこれまでに手掛けてきた運用型広告支援システムを統合し、10年分の蓄積データを活用して新たに開発した中核システム「AMPコア」を搭載。データ分析基盤を構築し、各媒体や外部ツールからデータを収集・構造化・集約することで、機械学習やBIツール、広告効果分析に活用しています。

▼AMPシリーズのリリース背景についてはこちらをご覧ください。


「AMPシリーズ」リリースから2年間の歩み

――改めて、2年前にリリースされたAMPシリーズについて教えてください

梶原 開発を始めた2020年頃、私たちは広告代理事業の強化を図る中で、広告効果を高めること、つまり広告運用の最大化を重要な施策の一つとして位置付けていました。

以前からアドウェイズグループ全体の方針として「人と機械の共生」が掲げられており、「人がやるべきこと」と「機械がやるべきこと」を明確に定義しています。この方針のもと、人にしかできないことに集中できる環境を提供し、パフォーマンスを最大化することを目指して広告運用システムの開発を進めてきました。

しかし、開発を進める中で、これまで手掛けてきたプロダクトが10種類以上と大幅に増えてきたことから、社内外含めお客様にどのような価値を提供しているのかをきちんと分かりやすく提示する必要も生じたんです。同時に、たくさんのプロダクトのコンセプトを統一したいとも考えるようになったことから、Planning(企画・設計)、Creative(広告制作)、Optimize(広告効果最大化)、Analytics(解析・分析)の4つのカテゴライズを行い、AMPシリーズとして再構築しました。

その後、ソリュ―ションブランドとして、具体的なプロダクト展開を考えた際、改めて広告運用におけるアドウェイズの「最大の資源」でかつ「強み」を見つめ直すこととなります。結果的に私たちが気づいた答えは、10年以上にわたって蓄積されてきた広告配信データが、本当に貴重な資源である、ということでした。こうした経緯のもと、お客様の課題解決に向けて、この貴重なデータをどのように活用するかをより深く考えるようになり、AMPコアを中心にした「AMPシリーズ」の展開、運用を進めることになったのです。

AMPシリーズの中核システム「AMPコア」とは?


――AMPシリーズの中核となっている「AMPコア」とはどのようなものでしょうか?

梶原 AMPコアとは、アドウェイズの広告事業本部が10年以上蓄積してきた広告配信データ基盤を総称したものです。それまで、一般的な広告代理店のプロダクトは、個別最適化が行われることが多い傾向でしたが、私たちは今後「全体最適」が重要になると考え、特定のプロダクト専用のデータ基盤を作るのではなく、アドウェイズがこれまで蓄積してきたデータを一括でデータウェアハウス化し、他のプロダクトでも活用できるようにする構想を生み出しました。

――マーケティング効果を「増幅」させるという意の「Amplify」は、このような経緯から生まれたのですね。リリースからこれまでの2年は、このAMPコアを基盤に「広告効果」を最大限高めるためのプロダクト開発を行なってきたと伺いました。

梶原 そうですね。これまでの運用支援プロダクトは、社内の「業務」を効率化する目的で生まれたプロダクトが多かったんです。そのためAMPシリーズは、お客様のマーケティング課題の解決に貢献するプロダクトを推進していったという意味では、私たちにとって大きな方向転換でした。

「エンジニア発信でプロダクト開発を推進する」というテーマを持ち、開発チーム全員でテスト用のアプリを開発し、広告運用を行い、課題の洗い出しや、あるべき姿を作り上げていったという経緯があります。

その結果、社内の広告運用メンバーには、「今までとは異なる概念のプロダクト」として、興味を持ってもらうことができました。複雑なシステムであるが故に、理解や活用することにはすこし時間がかかったかもしれませんが、徐々に改善点やアップグレード案を提案してくれるようにもなり、広告運用における組織戦略とプロダクト戦略を連携して進められるようになりました。

AMPシリーズの現在地点:新たな課題への対応

AMPシリーズの最新のリリースプロダクトとしては、広告クリエイティブ分析に特化した「Creative Analyzer」や、Google広告の分析に特化した「MA4Gの検索広告対応」が存在します。開発に携わった、プロダクトマネージャーの石丸、矢野の2名に話を聞きました。

広告クリエイティブに特化した分析ツール「Creative Analyzer」


――Creative Analyzerとは、率直に言うとどのようなプロダクトなのでしょうか?

矢野 Creative Analyzerは、案件ジャンル・訴求軸・尺などのさまざまな切り⼝からクリエイティブの効果分析を行えるプロダクトです。クリエイティブ効果の進捗管理はもちろんのこと、IPM分析(※1)や時系列分析(※2)など、配信データを用いた分析、訴求・要素などの独自のクリエイティブデータと掛け合わせて効果分析を行うことができます。

※1 IPM分析:Installs per Milleの略で、1,000回の広告インプレッションあたりのインストール数を測定する指標。
※2  時系列分析:過去の販売データと市場動向の分析によって、将来の店舗の売上、株価、気温・降水量、Webサイトへのアクセス数などを予測する指標。

▼Creative Analyzerに関する詳細は、こちらのプレスリリースをご覧ください。

ーー開発にあたって、どのような課題が背景にあったのでしょう?

矢野 従来の広告配信レポートでは、クリエイティブ効果を把握することはできても、なぜ効果が良かったかの「要因」の特定が難しく、また要因分析を行うにしても多くの労力やデータが必要でした。これらの課題を解決し、スピーディに分析できる環境を整えるため、私たちはさまざまなデータの整備を行い、効果分析を効率的に行うための仕組み化に取り組んでいきました。 

配信したクリエイティブの結果の良し悪しの裏には、必ず理由があります。それらをデータに基づいて要因を特定していくことで、ユーザーが反応するポイントは何か、ユーザーに求められていない要素は何かなどのノウハウが溜まっていき、より効果的なクリエイティブ制作、配信の展開が検討できるようになります。こういった精緻なデータによるPDCAの推進が、Creative Analyzerを活用して実現していきたい姿です。
 
――主な利用者は、広告運用を担当する部署やクリエイティブ分析・制作を行うメンバーになるかと思います。実際にどのようなフィードバックが届いていますか?

矢野 訴求や構成要素のデータを可視化し、分析できるようになったことで、どのような要素が広告効果に影響を与えているのかを把握しやすくなりました。それにより、データに基づいた改善施策の検討が行えるようになり、クリエイティブ制作や配信の質が向上したという声を聞いています。

実際のオペレーションは、言葉で伝えるとなかなかイメージしにくいかもしれませんが、運用や制作担当のメンバーは、普段、次の画像のようなダッシュボードでデータ分析を行っています。実は、今まで人力で分析を行っていたのですが、このシステムを活用することにより、効率的にスピード感を持ち、分析・制作・配信を行えるようになりました。

現在はまだ、特定業種領域においての活用に留まっていますが、今後は活用できていない他業種領域での活用に向けても取り組んでいく予定です。

Google広告に特化した分析ツール「MA4Gの検索広告対応」

「Media Analyzer(通称MA)」とは、アドウェイズが10年以上蓄積し続けた広告配信実績を基盤にした、AMPシリーズの広告効果最適化ポイント分析システムです。膨大な広告運用ログとAIによる高度なメディアアルゴリズム分析を掛け合わせることで、アドウェイズ独自のベストプラクティスを確立し、きちんと根拠を持った効果改善を提供しています。

――「Media Analyzer」は新たに「MA4Gの検索広告対応」に取り組まれているそうですね。

石丸 MAの開発目的は、広告効果を最大化するためのアルゴリズムや、運用者のアクションの影響を解明することです。これまでもこの目的を達成するため、主にディスプレイ領域やSNS領域でアドウェイズ独自のメディアアルゴリズムの確立に取り組んできました。 

この仕組みを、Googleの検索広告においても活用しようと考えたのが、ことの始まりです。アドウェイズ独自のベストプラクティス及び、独自の配信手法をシームレスにチェックし、分析可能にするインターフェースを設計した上で、検索広告における効果の最大化に向けた機能を開発しようと私たちは考えるようになりました。

はじめに開発に成功したのは、Googleの検索キャンペーンに対応する分析機能でした。この機能を用いると、検索広告のアルゴリズムと入札キーワードや入札単価、メディア機能活用などの広告運用者の行動、そして広告効果の因果関係を解明することが可能となります。

――ほかにも「MA4Gの検索広告対応」を活用すると、どんな分析ができるようになるのでしょうか?

石丸 通常のメディア管理画面では分析できない潜在的な検索クエリの抽出、分析を行うことが可能となります。このクエリに対し、広告出稿主のサービス業種の変数や、実際に購入や登録などを促す商材の変数を掛け合わせて分析を行うことで、検索に対する生活者のニーズや意向の考察が可能となり、配信設計に反映させて検証を行うことができるようになりました。
 
――今後、さらに進化していくのでしょうか?

石丸 そうですね。今後の開発方針については、現在さまざまな角度から検討中です。

例えば、一言で「検索行動」といっても、生活者のデジタルメディア接触の多様化に応じ、私たちも対応を広げていく必要が生じます。なぜなら、ブラウザ検索、SNS検索、ストア検索、EC(モール)検索、さらにはAI検索と、日々新しい仕組みが登場し、トレンドも目まぐるしく変わり続けているからです。また、性別や年齢などのデモグラフィック属性や、ユーザーの興味・関心などの「趣向属性」毎の検索傾向を分析し、配信に活用するという考えもあります。

とはいえ、例えば「Tシャツ 黄色」と検索した際、検索を行うのは生活者であり、人間であることは変わりません。つまり、目的があって初めて検索行動が生まれるという観点を忘れてはならないということです。検索結果の最適化だけにフォーカスをするのではなく、生活者に寄り添った価値観、考え方を重視することも大切だと私たちは考えています。

なお、この検索行動を起こしている生活者が、実際にはどのデバイスやメディアを用い、影響を受けているのかを明らかにしていく事も大切です。かつ「検索結果」ではなく「検索結果に至る生活者のニーズや行動」までも分析をすることで、広告接触の効果をさらに高めることができると考えています。

今後のAMPシリーズの展望:最新技術の活用で、お客様事業の成長に貢献するために

――今後のAMPシリーズの展望について教えてください。

梶原 現状では、Creative AnalyzerやMA4Gの検索広告対応のように、AMPコアがこれまで培ってきた資源の力を最大化するため、より具体的で精緻な分析と最適化ができる仕組みづくりに取り組んでいます。

Creative AnalyzerやMA4G検索広告対応以外にも、ダイレクトプロモーションでのアプリインストールや会員登録、購入促進などの成果獲得にインパクトのあるソリューションが多く揃っていますが、今後はファネルやデバイスを横断してアクティブユーザーの獲得だけではなく、LTVの向上を意識したソリュ―ションを開発し、認知領域やCRM領域などより広範囲をカバーできる取り組みに注力していく予定です。

また、プロダクト間の連携を強化し、ファネルやデバイスを超えたデータ分析やマーケティングを実現する仕組みを構築する構想も持っています。
さらに、広告代理店として、お客様に対するマーケティング効果のフィードバックや情報提供など、コミュニケーションを充実させるソリューションも考えていきます。最近ではマーケティング市場におけるAI活用も進んでおり、「人と機械の共生」の考え方のもと、研究開発を進めています。

このようなさまざまな要素を組み合わせ、お客様や生活者のニーズを踏まえたコミュニケーションの最適化やマーケティングの指針策定に取り組みながら、よりマーケティング効果を最大化させ、お客様の事業成長に貢献できるプロダクト開発に取り組んでいこうと考えています。

 ――本日はありがとうございました。


株式会社アドウェイズでは、広告出稿に関するご相談を随時承っております。お気軽にご連絡ください。

アドウェイズ広告事業本部は、これからもクライアントと共に成長し続けることを目指し、マーケティングテクノロジーの最前線で挑戦を続けていきます。今後の活動にもご期待ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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