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しなやかに粘り強く。変化に強い人財を人材開発チームが体現するパーパス

こんにちは、アドウェイズ広告事業本部です。
このnoteでは、私たちが日々取り組んでいる事業の内容や社員の働き方、そして私たちの想いについてお伝えします。
 アドウェイズ広告事業本部は、「人」の創造力と「デジタルテクノロジー」を融合させ、本質的な広告価値を生み出し、広告主の課題解決およびマーケティング効果を最大化させ、持続的な成長を実現し続けています。
広告事業本部では2022年より、事業部内で人材開発チームを発足し、社員の可能性をひろげる人材教育・育成に取り組みはじめました。
今回は、人材開発チームと関連プロジェクトをリードする事業戦略推進室のお二人に話を聞きました。

※株式会社アドウェイズが掲げるパーパスについてはこちら


社員のキャリア育成に向き合う人材開発チーム

――まずは、お二人の経歴を教えて頂けますでしょうか?

小笠原 
私は、2007年に新卒で入社しました。営業部署に配属され、20代は営業職としてお客様との折衝やご提案に奔走しました。30代からマネジメントを任せて頂き、営業を中心とした複数の部署のマネージャーを務めました。
その後、出産と産休を経て、マネージャーとして新規アカウント開発に特化した部署の立ち上げを担い、新規アカウント開発部署を成長させたのち、事業部を横断した課題の解決に向け、現在は事業戦略推進室の室長として人材開発やイネーブルメントに関わる業務推進を行っています。

中越 2013年に新卒で入社しました。営業職、広告運用職を経験し、社内での新規プロダクトの開発提案が承認されたことをきっかけに、部署のマネージャーと兼務で開発ディレクター、プロダクトマネージャーを経験しました。
その後は、各種SaaSの管理者を担当しつつ、※SFA/※CRMなどのツール導入から定着までを担当、現在はイネーブルメントの環境構築を中心に事業戦略の推進をおこなうプロフェッショナル職として従事しています。

※SFA=Sales Force Automation、営業支援活動
※CRM=Customer Relationship Management、顧客関係管理

――ありがとうございます。キャリアを積んできた中で、一貫して抱えてきた想いがあれば、教えて下さい。

小笠原 
一貫して「柔軟性」を大切にしてきました。現在まで私は合計七つの部署に在籍していたのですが、その時その時、時流・顧客・チームから何を求められているかを考え、柔軟にフィットするように心がけてきました。
業務に対しても、充分な理解と実践が出来るように粘り強くスキルを磨き習得した上で、改善を加え、少しでも事業を良い方向に向けられるよう努めました。

中越 新卒のころの営業経験で「プロダクトの必要性」「組織での事業成長の必要性」を強く感じたことから、一貫して、「仕組み化」「共創」を大事にしてきました。
結果的に営業や運用といった実務の経験を活かして、プロダクト開発やSaaS導入に従事することとなり、今もなお、自分が信じる理想に向かってチャレンジを続けています。

――経歴の中でご自身の成長を感じられたエピソードがあれば教えてください。

小笠原 入社17年目になりますが、現在の業務が一番成長を実感しています。なぜなら、部署という枠組みを超えて、約400名の広告事業本部社員の働きやすさや、どうやったら事業部全体の成果を最大化できるかなどのより広い視点を持って働かなければならないからだと思います。前例のない課題に取り組んでいくことも多く、影響範囲も大きいので身震いすることもあるのですが、実現できた時には成長を感じますね。

実は、17年目にして、自分が「ゼロイチで仕掛けを作る」ことが好きであり、向いているのではないかと気付きました(笑)先程、中越からも話がありましたが、逆に「仕組みにしていく」ことは一緒に働いている中越が向いているのではないかと考えています。

中越 確かに思い返してみると、現在はそのようなバランスをうまく取りながら業務に取り組めているような気がしますね。

――ありがとうございます。お二人のコンビネーションが伝わってきました。

人材教育・育成において抱えていた課題

――人材教育や育成に取り組まれる以前、広告事業本部が抱えていた課題を教えてください。

小笠原 大きく言えば、2つの課題を抱えていました。

1つ目は、いわゆる業務品質の属人化です。営業や運用の業務において、担当毎のスキルとともに提供品質に差が出てしまうことが課題でした。背景としては、均質化された教育体系や計画が整っていなかったことが挙げられます。
当時は、OJTなど、口頭でのコミュニケーションを軸に置いた教育を行っていたため業務の習得スピードや習熟に部署内でムラがある状態だったんです。

2つ目は、営業メンバーが充分にお客様と向き合う時間が捻出できていなかった点です。広告事業本部営業部門を横断し、業務時間の内訳を調査したところ、お客様との打ち合わせの約3.5倍以上の時間を、調査や資料探索、資料作成に充てているというデータが出たんです。

自論ですが、広告代理店という業態にとって、最大の提供価値は「人」だと思っています。思い返してみると、私がそれまで担当していた新規アカウント開発の部署では、教育、育成における一定の体系化ができており、目標や納期がシビアな環境下でも、社員自身が成長に期待し、実感する姿を見ていて、教育や育成は体系化できると感じていました。

このような2つの課題と解決に向けた確信から、最大の価値である「人」の可能性を最大化し組織を強くするため、改革を担わせてほしいと取締役に申し出たんです。

その結果、取締役も同じような課題感を感じており、一任してくれる形で取り組むことになりました。

人も組織も共に成長できる仕組み作り

――人材開発や育成に注力するようになった際、掲げた目標を教えてください。

小笠原 最初に「人も組織も共に成長できる仕組みを作る」ことを掲げました。
教育や育成の体系や体制が整い、社員個人が成長したとしても組織が成長していなければ、事業を行う法人として、投資価値は低いままであると考えたからです。
逆に組織が成長している中で社員一人ひとりの価値を高められていないことも、長期的な再現性がなく、アドウェイズグループのというパーパスにも反するのではないかと考え、「人も組織も共に成長できる仕組みを作る」ことを掲げました。

具体的な取り組み

――具体的な取り組みとしてはどのようなことに取り組まれたのでしょうか?

小笠原 はい。前提に、私達が少人数のチームであるため「400人の社員に個別に教育、育成を行うことは出来ない」ことと、広告事業本部は基本的に「マネジメントとスペシャリストでキャリアルートが分かれている」ということを、再認識する必要がありました。

このバックグラウンドを考慮し、「セールスイネーブルメント」という営業組織を強化・改善するための概念を取り入れ、教育プロジェクトとナレッジ共有プロジェクトという二つのプロジェクトを立ち上げました。

その後、二つのプロジェクトを通し、効果的に業務を遂行しより良い成果を上げるために必要なツール、リソース、プロセス、トレーニングを提供する仕組み作りにも着手していきました。

他にも、スペシャリスト職をより多く、強くするという目標を掲げ、職種と習熟度に基づく階層別教育プログラムを構築し始めました。

現在、広告事業本部では20以上の専門職が存在し、専門的なスキルに磨きをかけています。
そういった研鑽の中から新たな知見を生み出し、チーム内に波及させ、部署全体の提供価値を高めることで事業インパクトとしていくのがスペシャリストの役割とも言えます。
人も組織も共に成長する仕組み作りでは、まずは専門職であるスペシャリストの数を増やすことが重要だと捉え、スペシャリスト向けの専門コースを作ることにしました。

育成の観点では、業務の中で必要となる知見を「暗黙知から形式知に変えていく」ことをテーマに、職種ごとの業務内容を分解し、一つひとつをドキュメント化、共有していくことで提供品質の均質化を図っていきました。

これからも、より専門性が高いマーケティングスキルやプロジェクト推進スキルなど、高度化されたスキルやナレッジも形式知として共有できるよう、展開していく予定です。

障壁や悩み

――ここまでの取り組みの中で、障壁に感じられたことや悩みがあれば教えて下さい

小笠原 まずは事業部内で、この取り組みやプロジェクトに対する理解を得る必要がありました。
過去に人材開発に対する取り組みが機能しなかったこともあり、方針に懐疑的な方も中にはいたからです。こういった方々に理解を促し、前向きに協力してもらうには、骨が折れることもありましたし、沢山悩みました。

私としては、取り組みによる事業期待効果が出せることを確信していたため、反対意見が出ることそのものがショックで……。今となっては豆腐のメンタルだったなと反省も多いですが、取り組みのリーダーとして気丈に振る舞う必要もあるうえ、コロナ禍のオンラインコミュニケ―ションだった事もあり、マスクで表情を隠しながら声だけを明るくするという技を覚えました(笑)。

また、理解を得ながらも、プロジェクトをリードする人員の確保に悩んだこともありました。人材教育や育成のような長期的なプロジェクトでは、即時的に事業効果として反映させることは難しく、事業を支える通常業務とバランスを取ることも重要です。
教育プロジェクトでは200以上のコンテンツを作っていますが、ほぼ内製で作成し、営業や運用など関連部署のスペシャリストなどと一緒にコンテンツ制作を進めていきます。
立ち上げ当初は、優秀な人材のリソースを割かないでほしいというマネージャーからの要望もありました。先程もお話ししたように「人も組織も共に成長できる仕組みを作る」ことを掲げていることもあり、このバランスの調整にはあらゆる局面で何度も配慮を行いました。
また、取り組みが推進し始めてからは、策定し実施していった施策が上手く機能しないことにも悩みました。我々でこれは行ける!と思った取り組みも、受け入れられないこともあり、現在も日々PDCAをまわし続けています。

中越 私も取り組みを通して、“理想”として掲げた目標を実現するために、様々な職種、部署を能動的に動いてもらうことは、いかに難しいかを痛感しました。
部門や部署、ユニットや個人間においても課題認識のギャップがある中で、いかに「共創」する「仕組み」で解決に導いていくか、これは一定以上の規模となった組織の命題かもしれませんが、向き合って乗り超えていかなければいけない重要な障壁でもあると感じました。

障壁の解決

――このような障壁をどのように乗り超えていったのでしょうか?

小笠原 上手く機能しなかった取り組みに対しては「なぜ使われないのか?」「何が障壁なのか」など、丁寧に活用者の意見を聞いていきました。
もちろん、明確な答えを持っていない場合も多く、ニーズやインサイトを注意深く読み取りながら、新たな形にバージョンアップできるよう試行錯誤することも必要です。

そういった思考錯誤の中で、段々と小さな効果が見えてきました。この効果を少しずつでも、粘り強く提示し、伝えていく事で当初は方針に懐疑的だった方の理解も得られるようになり、事業部全体を巻き込んだ一大プロジェクトになっていきました。

中越 本当に小さなことから徹底的に改善していき、PDCAを廻すことで解決してきました。PDCAが廻っていくことにより、理解し協力してくれる方も増えていきましたし、プロジェクトメンバーの取り組みに対する姿勢も変わってきたように思います。

こうした熱量の伝播の中で、取り組みにおける作業や検証も分担できるようになっていったと感じます。実際に、負荷の大きかった教育プロジェクトのコンテンツ作りでは細かく分担することで、業務効率を約70%、軽減することが出来ました。

小笠原 とても単純ですが、心を強くすることが非常に重要だったと思っており、今考えるとプロジェクトの推進は「心の筋トレ」なのかもしれません。ボキボキと心が折れる音が聞こえたこともありましたが、「自分が諦めなければ続けていく」ということを自分の中で決めて、推進していきました。今では、多少の痛みはあっても、諦めない限り全ての痛みは「成長痛」だとして受け止められる、しなやかな心を持つ事が出来たのかなと思います。

――ありがとうございます。しなやかに粘り強く対応していく事で障壁を乗り越えてこられたのですね。

広告事業本部の変化

――取り組みにより解決できたことを教えて下さい。

小笠原 イネーブルメントの成果として、営業の生産性向上の改善においては一定の成果が出ています。資料作成や情報を探す時間を減らすことができており、一人当たり約20時間の短縮、組織全体では1,400時間ほどの短縮に繋がっています。

――対象範囲の社員からはどんな反応がありましたか?

中越 対象となる社員からは、常に良い反応が得られるという状態はやはり難しく、二極化しているのかなと感じています。

ポジティブな反応でいえば、「これまでで一番成功しているプロジェクトだと思いますよ!」と言って頂いた事もありました。基本的に業務の中で「役に立っているよ」と言われることが一番嬉しいので、この時は本当に嬉しかったです。

ネガティブな反応でいえば、「今までのままでも良かった」「資料を共有する優先度が上がらない」などの声もあるにはあります。こういった声にもしなやかな心で柔軟に対応し、これからもPDCAを廻すことで対応していきたいと考えています。

――中心となって取り組みを牽引して来た、お二人の自己評価としてはいかがでしょうか?

中越 運用定着という点においては、アクティブユーザー率を見る限り、評価をしても良いと捉えています。

一方でトップラインの引き上げと生産性を高めることに対しては、まだ評価が難しいと考えています。現状では、生産性を高める具体的な有効策として提案できているとは言い切れない部分があり、試行錯誤を重ねています。現在、運用定着により50%までの進捗まで持ってくることは出来ましたが、より生産性に影響している状態を構築したうえで100%に近づくことができるよう、しっかりと投資に見合った効果を出していきたいと考えています。

小笠原 ネガティブな声もある一方で、社員向けアンケートでは98%の社員が「今の取り組みがなくなるのは困る」と回答しています。
ひいては、取り組みに関しては前向きでありつつ、改善の余地があるということだと捉えています。これからも粘り強く改善していきたいですね。

――ありがとうございます。取り組みと進捗が良く理解できました。

今後、求められるデジタルマーケティング人材

――今後、デジタル広告代理店の人材育成には何が求められると思いますか?

小笠原 これから、デジタルマーケティング市場は、さらに「早く」「複雑に」変化していく事が予想されます。私達、広告事業本部もいち早く変化を予測、察知し、お客様の事業を成長へと導くため、対応し続けなければなりません。

そのような変化の中で、実際に対応する人材に求められるのは、広告やマーケティングにおける最新の知識を備えることはもちろん、さらに時流をどうキャッチし「未来を少しでも予測して動いていけるか」というアクションを起こせることだと思います。つまり、私達がお客様に対し羅針盤となり行く先を示す、そういった先を読む力も大切です。

マーケティングの市場に限らず、お客様の事業に影響を与える※PESTなどの外部環境、業界の様相、技術革新や生活者の変化、メディアの機能やソリュ―ションの活用など、様々なシーンや変化が予想されますが、そのような変化に対応しリードしていく存在が「人」であることは、今後も変わらないと考えています。その上で、挑戦し、対応を行っていく為には固定概念に囚われず態度や行動を適応させられる「柔軟性」が必要だとも考えます。
※PEST=法的、経済的、社会的、技術的な確度からみた外部環境を示す

一方で、察知した変化や予測される未来における課題を、社内やお客様に伝え、対応をリードしていくためには「粘り強さ」も必要です。「気付いていた」だけで、行動に移さなければ、成果に変えていくことはできませんから。

――未来に対応していくためにも「柔軟性」と「粘り強さ」が必要なのですね。
では、最後に広告事業本部がどのような形でパーパスである“全世界に「なにこれ すげー こんなのはじめて」を届け、すべての人の可能性をひろげる「人儲け」を実現する。”を体現していくのかを教えてください。

中越 自分が入社した2013年と比べ、人員は倍近い人数になっており、職種も増えて、分業が進みました。また、デジタルマーケティング業界の再編や、AI等の技術進歩も相まって、業界としても現在は過渡期にあると思います。

その中でも「この営業と一緒に働きたい!」「このデザイナーと一緒に働きたい!」「このエンジニアと一緒に働きたい!」などと様々な方に興味を持っていただけたり、機会を提供できる環境を、広告事業本部として体現していきたいと考えています。そうした取組の一つひとつが、パーパスの実現につながっていくのではないでしょうか。
今後は、部署や立場で割り当てられた関係性に留まることなく、垣根を超えて、純粋に「この人と一緒に働きたい!」と感じさせる人材を開発し「共創」しやすい環境を作っていきたいですね。

小笠原 先ほどもお話したように、これからのデジタルマーケティング人材には、未来を先取りし、柔軟に対応、粘り強くリードする力が求められると考えています。そのような人材を一人でも多く育成し、お客さまの事業の成長を導く真のビジネスパートナーを生み出すことが、私達が、“全世界に「なにこれ すげー こんなのはじめて」を届け、すべての人の可能性をひろげる「人儲け」を実現する。”ことだと信じ、これからも邁進して参ります。

――人材開発・育成チームのしなやかで粘り強い挑戦が良く理解できました。本日はありがとうございました。


株式会社アドウェイズでは、広告出稿・マーケティング支援に関するご相談を随時承っております。お気軽にご連絡ください。

アドウェイズ広告事業本部は、今後もお客様と共に成長を遂げることを目指し、デジタルマーケティングの最前線で挑戦を続けてまいります。今後の展開にご期待ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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