ユーザー体験の最適化で高い投資対効果を実現するLPO支援
こんにちは、アドウェイズ広告事業本部です。
このnoteでは、私たちが日々取り組んでいる事業の内容や社員の働き方、そして私たちの想いについてお伝えします。
アドウェイズ広告事業本部は、「人」の創造力と「デジタルテクノロジー」を融合させ、本質的な広告価値を生み出し、広告主の課題解決およびマーケティング効果を最大化させ、持続的な成長を実現し続けています。
今回は、2024年11月に発表された『LPO AWARD SECOND HALF OF 2024』において銀賞 | SILVERを受賞されたデータソリューションDivの3人にLPO(ランディングページ最適化対策)の取り組みや展望について話していただきました。
※『LPO AWARD SECOND HALF OF 2024』受賞インタビューはこちら
ADWAYSが提供するLPO支援
――LPOとはどういったマーケティング施策なのでしょうか?
山下 LPOは「Landing Page Optimization」の略で、広告や検索エンジンから訪問したユーザーがアクセスする「ランディングページ」の最適化を行う施策です。ランディングページに対するユーザーのニーズを、定量的・定性的に読み取り、ニーズに合わせた構成としていくことで、ページの目的に対する成約率(CVR/コンバージョンレート)を高めることができます。
このような最適化により、ランディングページに来訪したユーザーはストレスを抱える事なく、欲しい情報を読み取ることができ、サービスとしても成約率と同時にプロモーションやマーケティングコミュニケーションの費用対効果を高めることが可能となります。
――広告事業本部ではいつ頃からどういったきっかけで注力するようになったのでしょうか?
山下 2023年前半から注力しています。
きっかけとしては広告事業本部として、アプリマーケティングだけではなく、WEBマーケティングにも注力し、手厚い支援をしていく方針になったことが大きかったと思います。
そういった方針を受け、最適化や解析の支援に特化するデータソリューションDivで、ランディングページを対象とした最適化対策の支援を行うようになりました。
実は、それまでもランディングページ最適化の支援は行っていましたが、各営業部署や広告運用部署でナレッジが分散し、俗人化していた状態になってしまい、広告事業本部として統合したナレッジが確立できていませんでした。
こういった課題を解決する為に、まずは利用ツールを定め、ナレッジをデータソリューションDiv内に集約するところから始めました。
――LPO支援を行うことでどのようなマーケティング課題が解決されるのでしょうか?
篠原 先ほど、山下が話したように、来訪したユーザーをストレスなく成約にむけてリードすることで、成約率が高まり、同時にプロモーションやマーケティングコミュニケーションの費用対効果を高めることも可能となります。
もう少し、詳しくお話しすると、様々な業種のお客様のマーケティングにおいて、ユーザーの利用や会員登録を促進するため、申し込みの導線としてWEBサイトやランディングページが設置されています。そして、そのWEBサイトやランディングページへ来訪するユーザーの集客のために、ブラウザ検索に対するSEO対策や、広告プロモ―ション、自社メディアや提携メディアとのリンク、SNSの活用が行われています。
当然ですが、こういった集客の施策にはマーケティング予算が投じられており、利用の申し込みや成約に至る効率が良いほど、費用対効果も高くなります。
しかし、広告や自然流入を最適化させる取り組みは、PDCAフレームを活用し改善、最適化されているものの、流入全体の効率を高めるランディングページの最適化が充分ではないケースが多く散見され、非常にもったいない状態となっていると感じています。
また、LP制作の場合でも、デザイナーの経験により蓄積されたノウハウによるヒューリスティック評価を主体に、制作を進行する場合が多いと感じており、LPOのノウハウから構築される定量的なデータ傾向の反映には余地があるように感じます。
――そういったマーケティング課題に対し、どのように取り組まれているのでしょうか?
篠原 株式会社LeanGoさまが展開されている『DEJAM』というマーケティングDXツールを活用し、ランディングページのヒートマップ分析を行い、課題を特定した上で、ページ内の要素をABテスト検証しています。
こういった検証を継続的に繰り返すことで、来訪したユーザーのニーズに添ったランディングページとして構築していき、成約率を高めていきます。
乗り超えてきた壁
――LPOの取り組みを進められてきた中で、課題に感じられたことはありましたか?
山下 大きく2つ、課題に感じたことがありました。
一つ目は、それまであまり取り扱いのなかったLPOを新たな支援価値として社内に浸透させていくこと。
二つ目は、改善に向けたPDCA運用を一から確立すること。この二つの課題を解決することが非常に重要で苦労しました。
一つ目の社内での浸透については、広告事業本部内でも取り扱ったことがない社員が多かったことで、どのような効果が得られるかのイメージを持たせづらく、取り組みや効果を理解してもらうことに非常に苦労しました。
二つ目のPDCA運用スキームの確立については、ツールの活用はもちろん、どういったサイクルで改善を推進することがお客様にとっても負荷がなく効果を最大化できるのかなど、なにもかも手探りの状態から始まり、最適なスキームを確立することに苦心しました。
――こういった課題をどのように乗り超えてこられたのでしょうか?
山下 社内浸透に対しては、大切にしていたことが二つあり、一つは「言い続けること」、もう一つは「小さな実績を積み重ねていくこと」です。
新たな取り組みは往々にして、先頭に立った人間が高いモチベーションを失って啓蒙しなくなると、簡単に形骸化し、気づいたら取り組み自体がなくなってしまうものだと考えています。
こういった考えを基に、形になるまでは言い続ける(やり続ける)覚悟を持って、LPOの重要性を社内で訴えつづけました。
もう一つ、大切にしたことは「小さな実績を積み重ねていくこと」です。当時、お客様へのご提案の際に、営業部署の社員から、すでに実績があるかどうかをよく聞かれていました。こういったご提案の場面で提示でき、営業の社員の期待に応えるためにも、どんなに小さくても必ず実績を作っていくことを意識し、取り組んでいきました。
覚悟を持って根気強く「言い続けること」。そして、どんなに「小さくても必ず実績を作り提示していく」ことで、提案やCVR改善の実績をコツコツ積み上げていくことができ、少しずつ少しずつ、私達の取り組みであるLPO支援が社内に浸透し、お客様に提供することができました。
なお、同じ時期に広告事業本部内でナレッジ共有を活性化させるプロジェクトが進行しており、そのプロジェクトでの共有会やスキームを通して拡散できたことも、今考えると社内浸透の追い風となっていたかもしれません。
今では、様々なお客様の新規提案や競合ピッチでのご提案に参画し、能動的に提供する機会を得ることが出来ています。
――LPOのご支援でお客様に貢献できた事例はありますか?
楠田 取り組みを始めてからの2年間でたくさんあります。特に印象的な事例としては、コスメ・化粧品業種のお客様の事例です。
こちらの事例では、GA4によるユーザー行動解析とLPOを連携させ、より深いユーザー行動の分析を行いました。
これにより、お客様に大変ご満足いただき、広告運用だけでなくフルファネルでマーケティングを支援するパートナーとしての信頼を得られ、貢献することができたと感じています。
※GA4=Googleが提供するアクセス解析ツール
――お客様の反応はどうでしたか?
楠田 例えば、「支援範囲、ソリューションの幅の広さに驚いた」というお声を頂き、サービス改善のために実施しているアンケートでもお答えいただきました。
その他のお客様についても、支援範囲を拡大させる提案によって、マーケティング効果の最大化と事業貢献に向き合う姿勢を評価いただくなど、取引の拡大に繋がっています。
――取り組みの中で、嬉しかったことを教えてください。
山下 競合ピッチの提案参画に呼ばれた時は嬉しかったです。今となっては、様々な業種でニーズも増え、嬉しい悲鳴が出ていますが、初めて選ばれた時は広告事業本部の支援価値として、社内できちんと認めてもらえた感じがあり、凄く嬉しかったことを覚えています。
楠田 今でもそうですが、LPOの分析データから論拠・仮説を導き、提案を行い、お客様に新たな発見や納得をしていただける時は、分析の苦悩が吹き飛ぶくらい嬉しいです。また、そういった分析結果やお客様からの反応は、たくさんのお客様のマーケティング、ひいては、事業成長により貢献したいというモチベーションにもつながります。
篠原 私は、アドウェイズに中途入社でジョインしました。そうした背景もあるかもしれませんが、広告運用や営業、制作の部署の社員と連携し、包括的な提案ができたことが嬉しかったです。支援範囲を拡大した効果があったのか、お取引先も拡大しており、お客様の事業成長にも微力ながら貢献できているのではないかと考えています
今後の展望
――LPOの取り組みの今後の展望を教えてください。
篠原 ようやくスタート地点には立てたものの、独自性のある提供価値となるまで、しっかりと事業を確立したいという想いも強く、また、お客様に「アドウェイズの支援でLPOを実施する意義」を感じいただき、より利用しやすい環境を作りたいと考えています。
そのためには、広告配信データの活用や運用、制作、他部署との連携、GA4での解析データの活用など、LPOに留まらない拡張とより精緻なデータ解析を通した「アドウェイズだからこそできるLPO」の支援価値を、さらに構築していかなければならないと感じています。
――広告運用との連携やGA4での解析で、LPOはどのように価値が高まっていくのでしょうか?
楠田 まず、広告運用との連携についてですが、運用型広告で効果を最大化させていくには、LPOは必須の取り組みだと考えています。
運用型広告において、ターゲット選定、ユーザー解像度の向上、適切なメディア選定、訴求を明確にしたクリエイティブ制作は日々当然のように行われ、細やかな運用と改善が求められます。
しかし、流入元となる広告だけでなく、遷移先となるランディングページで得られる体験も重要で、この体験によって、広告運用にかけたコストを無駄にしてしまうこともあれば、最大化することも可能です。
ウェブサイトの改善をお店に例えるならば
・商品やお店のコンセプトに基づき、ターゲットを定義
・調査やインタビューでお店の所在地エリアに在住するターゲットユーザーの解像度を高め、正しく理解
・クリエイティブのテストを行い、最適なチラシを制作
・チラシを配布するべき、的確なスポットやタイミング、態度で配布
・お店の外装も綺麗に整え
「来店してもらう準備もバッチリだ!」というところまで取り組んだにも関わらず
・商品がどこに存在し、どうやって探したらいいか分からない(購買や利用モチベーションの低下)
・説明を受けても、商品の良さが分からない(商品理解不足)
・接客に難があり不快、注文やレジでストレスを感じさせてしまう(成約に向けたモチベーション低下)
という状況のお店では、来客数がどんなに増えようと、思うように購入に至らず、退店してしまうお客様を増やしているようなものです。
こういった店内の状況をウェブサイトに置き換えるならば
・ページ内のコンテンツが不明瞭で、広告で期待したものと齟齬や乖離がある。
・商品が探しにくい、ページが見にくい。
・フォームが使いにくい、入力が面倒、ページが重い、適切な決済方法がない。
などの要素となります。
逆説的に考えれば、広告や他のマーケティング施策で醸成されたユーザーの期待にしっかりと応えるためには、ランディングページの整備、最適化は必要ですし、広告でどのような期待を醸成しているのかを把握、連動することでLPOの効果も最大化できると考えられます。
篠原 GA4分析データの活用ですが、GA4による分析で利用ユーザーの行動を把握し、成約(CV/コンバージョン)までのアクションや訪問しているページを特定することが可能です。こういった改善ポイントを特定したうえで、LPOの施策に取り入れることにより、成果の最大化が実現できると考えています。
例えば、GA4でユーザー行動を分析すると、多くのユーザーが特定の決済サービスで購入している傾向がわかったとします。そうした場合は、多くの人が利用している特定の決済サービスが利用可能であることを、ランディングページで大きく打ち出すことで、成果を最大化することができます。
また、他の例として、お客様の声やレビューに関するページにアクセスしたユーザーが、成約に繋がっている傾向だとわかった場合、ランディングページにお客様の声やレビューなどの要素を追加したり、チュートリアルのような利用手順を示すコンテンツを強化することで、成果の最大化が図れます。
これ以外にも、GA4分析データをLPOに取り入れていく手法はさまざま存在し、価値を高めることはできると考えています。
広告運用との連携も、GA4分析データの活用においてもですが、私達も分析と検証を繰り返し、より事業成長を促すマーケティング支援を行っていきたいと考えています。
――具体的には、こういった連携や活用でどういったマーケティング課題が解決できるのでしょうか?
楠田 お客様の事業にとっては成約獲得コストの改善、成約数の向上が期待できます。
集客を行うことに対するプロモ―ション投資の効率化だけでなく、ウェブサイトそのものに投資を行うことで、広告効果だけではなく、オーガニック流入、ソーシャルメディアからの流入など、マーケティング資源の有効活用が実現でき、マーケティング全体としての効率を高めることにもなっていくと考えています。
――こういった連携や活用も含め、今後、さらにどのように展開していきたいですか?
楠田 ランディングページ改善、クリエイティブ改善、広告運用、アクセス解析、これらの知見やデータの連携・統合と、お客様の事業戦略・マーケティング戦略との整合を実現し、どのようなユーザーコミュニケーションを設計し体現すれば、お客様の事業成長に対する貢献を最大化できるのかを突き詰め、より適切な提案と支援を行っていきたいと考えています。
――データソリューションDivとして、将来的にどのような支援をおこなっていきたいですか?
山下 今までデータソリューションDivは、LPO(ランディングページ最適化)、ASO(アプリストア最適化)、GA4(解析支援)など、ソリューションごとにメンバーが異なる、縦割りの組織でしたが、来年以降はその垣根がなくなり、すべての担当者が複数のソリューションを扱える体制に変わっていく予定です。
そのため、今まではLPO担当であればLPOだけの視点でしかアプローチすることができませんでしたが、今後はASOやGA4などの知見を得た、より幅広い知見を持つ担当者が、お客様と向き合えるようになります。
こういった体制の変更も踏まえ、お客様の深いニーズに寄り添った本質的なデジタルマーケティング支援を実現していき……
「マーケティングのことはアドウェイズに聞けば、高い視座を持って答えてくれる」
「アドウェイズと一緒なら、適切なマーケティング戦略を描いて実行できる」
お客様にそんな印象を抱いて頂き、信頼頂ける、着実なパートナーシップの構築を目指してまいります。
――データソリューションDivの、誠実で真剣な挑戦が良く理解できました。本日はありがとうございました。
アドウェイズ広告事業本部は、今後もお客様と共に成長を遂げることを目指し、デジタルマーケティングの最前線で挑戦を続けてまいります。今後の展開にご期待ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。